あたしの旦那は保健医です!?

「なんでこれなの?」

やっぱり涼は怒ってる。

「だって、お母様と店員さんが似合うって言ったから。
あたしだって、お世辞ってくらい知ってます!!
どうせ、似合わないんでしょっ!!」


はぁぁぁー…

涼は深くため息をする。

そしてあたしに近づいて

「違うから。
お前に似合いすぎてヤバいんだってば」

と耳元で囁く。


紅潮するあたしの顔


「誰にも見せたくねぇよ…」

甘い声にあたしはとろけそうになる。


「今すぐにでも抱きたい…。
杏をめちゃくちゃにしたい」

力がなくなっていきそう……。


そんな優しい声で言葉を紡ぐ涼。

「杏……」

それと同時に甘いキスが降ってくる。

立っている力がなくなる。
涼がすかさず支える。

足の間に涼の足があって、どくにもどけない。


フワッと生地に触る。


薄いから涼の体温が生地を通して伝わってくる。


もう、立ってなんかいられなくなってしゃがんでしまいそうになる。


熱がこもる…


「杏、今日は寝かせないから」


ガチャ

お母様とお父様が部屋に来た。

あたしは涼の後ろに立った。
後ろに立たないと今何をしていたか察せられると思ったから。


「うふふっ♡
じゃぁ、髪を軽く巻いて行きましょうか♪」


まだ細工をするんですか、お母様──。




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