ブラック王子に狙われて②


ユウ達がかき氷を手にして戻って来た。

すると、ユウの視線が俺の首に釘付け。


「ゆず~~っ」

「何、どうしたの?」

「俺もあーいうのが欲しいぃぃぃ~~っ!!」

「え?……あっ。……やだっ/////ユウくんったら//////」


ゆずちゃんの視線も俺の首に。

そして、これの犯人の絢は、

俺の扇子で顔を完全に隠してるし……。


「絢、これ返せ」

「えっ、ちょっと、やだっ……」


絢の手から扇子を奪い、それをユウに手渡す。


「今なら、貸してやる」

「おぉ~、慧サンキュ!」


俺は絢の頭を掴んで、くるりと視界を逸らす。

それを合図に、ユウ達も俺らと同じことをしたようで。


「慧、ありがとな」

「どう致しまして」


扇子を受け取ると、見事にユウの首にも。

ゆずちゃんはユウの後ろに隠れてる。

まぁ、照れるよな。


ユウが彼女にあーやっておねだりしてるのかというのを改めて知った所で。


「そろそろ行きますか」

「そうだな」


俺らはかき氷片手に、もう片方の手に可愛い恋人の手を掴んで。

花火会場へと歩き出した。


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