ブラック王子に狙われて②

・一瞬の隙が仇となる



3学期がスタートした。

年末年始の別荘旅行は、

両家の両親が親睦を深めるという位置づけで行われ、

俺らは、多少のイチャラブ感はあったものの、

さすがに両親がいる建物の中で……とは無理があって。

散歩に連れ出したり、部屋で宿題をする時に

ちょこっとだけ触れ合った。


高校生活も残すところあと3ヵ月。

センター試験を控えてる友人も多く、

結構ピリピリとした雰囲気の中。


「ユウ、おめでとう」

「おぅ、さんきゅ」

「彼女と離れて暮らすの、大丈夫そう?」

「とりあえず、スタメンに決定するまではブーブー言えないし」

「そっか」


ユウはJリーグ(J1)のチームからスカウトを受け、

プロ契約を結んだようだ。

車で1時間ほどの場所にある施設で日々練習するらしい。

ユウの彼女は既に美容専門学校に合格していて

2年間は、ある程度の距離を置きながら

時間を見つけて逢瀬を楽しむらしい。


みんなそれぞれに将来を見据えて、

子供から大人へと成長を遂げる時期。

まぁ、俺もその一人だけど。

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