ブラック王子に狙われて②
絢がダイニングで朝食を取っていた。
「慧くんは食べて来たの?」
「あっ、はい。済んでます」
俺は絢の隣りに座って。
「そんなに急いで食うと詰るぞ?」
「……ん……うっ…」
「ほら、言ってるそばから…」
「やだ、絢ったら。慧くんの前で吐き出さないでよ?はい、慧くんはお茶でも飲んでて?」
目の前に紅茶が置かれ
「絢、ママ洗濯してくるから」
「んー」
絢の父親はもう出勤したんだろうか?
姿が見えないけど…。
「絢、小父さんもう仕事行ったのか?」
「んー」
絢は必死にサラダと格闘している。
小さな口でモグモグと……。
いつ見ても見飽きねぇ。
何でコイツはこんなに可愛いんだ?