Hurly-Burly3 【完】
「最近、全然来てくれなかったじゃない?
どうしてるのかなって心配してたのよ。
顔ぐらいたまには見せて頂戴。」
聴診器を胸に当てて音を聞く先生は
ぶつくさ文句を言って来た。
「すみません、少し忙しかったもので。
通りかかった際にはきちんと挨拶ぐらいには
来ますからぐへっ」
口の中にアイスの棒みたいなのを入れられる。
「はい、お口大きく開けましょうね。」
「あー」
喉はもうそんなに腫れてないはずだ。
昨日がピークだったもの。
「ただの、風邪ですね。お薬飲んでよく眠り
ましょうかね。」
工藤先生はにんまりと笑った。
「日和ちゃん、相変わらず美少女だよね。
あたしドキドキしちゃうわ。」
バシバシと肩を叩いてくる工藤先生。
彼女はだいぶ変わった母の友人です。
「それはどうもありがとうございます。」
キリッと顔を上げたらふわっと笑みを
浮かべた工藤先生が頭を優しく撫でた。
「日和ちゃん、もうすぐで16になるのよね?
もうそんな年になっちゃうのか。あたしもおば
さんになちゃったものよね。こんなに小さかった
日和ちゃんを知ってるから成長の過程を見た分
親心みたいなものがね~」
ぺらりと昔話を話し出した工藤先生に付き合うこと
一時間だった。
その間、患者さんが来なかったことを不思議に思った。
「最近は調子どう?この間は入学式の後に蕁麻疹
で来てくれたけど、大丈夫なのかしら。」
「はい、その節は」
そうか、それから来てなかったのか。
随分とご無沙汰だったようだ。
「何か困ったことがあったらいつでも来なさい。
日和ちゃんは我が子のように可愛いがってるつもり
なんだから、何もなくてもお喋りに来てね。」
あたしは本当に周りの人に恵まれている。