Hurly-Burly3 【完】

「あの、一つお聞きしたいことがありまして。」

畏まったあたしにうん?と首を傾げる工藤先生。

「最近よく昔のことを思い出すようになりました。」

「え?」

「とは言っても、サユに出会った頃のことばかりです。

その前のことはちっとも思い出すことが出来ません。」

「そう。」

白衣を靡かせる工藤先生は足を組むのを止めてあたし

に穏やかに笑った。

「まぁ、小さい頃の記憶なんて曖昧なものよ。

気にすることないわ、他に変化はない?」

「他はこれと言ってとくにはありませんが、

少し疲れやすくなったかと。」

「そう、あまり根気詰めない方がいいわ。

未依も大概無茶苦茶な子だったけど、日和

ちゃんは容姿でこそは朝陽の野郎に似てるけど

性格は丸っきり未依そっくりだからあまり頑張り

過ぎないようにね。」

どうも家の母さんに似ていると言われ過ぎている。

本日二回目である。あの強烈な母さんに似ている

と言われても喜ぶべきなのか嫌がるべきなのか。

その後は、また絶対に来るのよと言われながら

工藤診療を後にした。

ダディーは帰りにアイスを買ってくれた。

食べたいものがないかとかいろいろ聞いて

きたりして、ソワソワしていた。

お昼はマミーが煮込みうどんを作って

持ってきてくれた。

どうも、あたしは風邪をひいても食欲だけは

あるみたいで土鍋で持ってきてくれた煮込み

うどんを平らげた後にマスクメロンを豪快に

食べて薬を飲んでもう一度眠った。

3時頃に目を覚まして熱を測ってみた。

少し体が軽くなったようで目が冴えた。

37度5分で薬が効いてきたようだ。

ベットに腰を掛けて暇潰しに『ハンター

地球上の生物に実態』とかいう本を見ることにした。

もくもくと本を読み更けているとダーリンが

寝返りを打って可愛かった。

ダーリンは風邪をひいたあたしの傍に居てくれる。

いつだって、ダーリンが居てくれたからあたしは

多分寂しくなんかなかった。

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