Hurly-Burly3 【完】

「女の子ってやっぱりそういうの好きなんだね。」

腑に落ちないところは何もないはずで違和感

を感じるのは意味が分からない。

馨君の声が遠くに聞こえて手がおぼつかない。

『日和ちゃん、僕と約束しようか。』

ふわりとした思い出の中でも色褪せない。

“あの人”は元気に過ごしているだろうか?

「ヒヨリン?」

庭でガーデニングするあたしに“あの人”は

いつも一緒に手伝ってくれた。

封じ込んだはずの思い出が散らばって行く。

「な、何の話してったっけ?」

へラッと笑うあたしをナル君が心配そうに覗く。

「ヒヨリン、まだ調子悪い?」

「ちょっといつものトリップをしてきただけで

大したことはないよ。」

「またかよ、好きだな~」

伊織君、どんだけ女の子に手を振る気だ。

近寄ってくる気配はないのが何とも言えない。

「これ、チョコレートの匂いがする。」

はい!?

ちぃー君、勝手に人のコスモスちゃんたちを

引っ張り出さないでくれないかな。

「だ、誰か、ちぃー君を止めて!!

あたしのコスモスちゃんたちが・・・」

食べようとするのやめて欲しいのですが。

ちぃー君、甘党さんめ。

「ちぃー、何して・・うわーチョコだ。」

ナル君がグイッとコスモスに顔を近づける。

何て素晴らしき絵図らなんだろうか。

美術展に出品したらきっと女の子の輪が

出来てしまうね。

「ちぃー君とナル君確保。」

しかし、甘党ちぃー君コスモス食べようとした。

「食べちゃ駄目!!」

花を食べようとする人を初めて見た気がする。

「チョコレート」

いくらでも後で買ってあげるよ。

全く、甘い匂に誘われたらどこにでも

着いて行きそうだな。

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