Hurly-Burly3 【完】



***



said:誠




「おとといは悪かったな。」

日和ちゃんが帰って来ないなんてまた何かが

起こったらと思うと気が動転する。

「元気そうで何よりだな。」

慶詩が花壇に腰を降ろす。

「昨日の夜やっと熱下がったからまだ

本調子じゃないと思う。」

平気そうに見えて顔に出さないだけで、

日和ちゃんは結構溜めこむタイプだと思ってる。

「お前、保護者?」

「紗友梨の暴走は大抵日和ちゃんが発端で

巻き起こるからな。」

日和ちゃんのことになると周りが見えなく

なることもあるから紗友梨の暴走癖。

「そういや、あの日は凄かったな。」

「日和ちゃんのことどう思ってるか

分からないけど、もしも面白半分で

からかってる程度なら関わらないでやってくれ。

彼女の親友だから仲良くなったわけでもなくて

日和ちゃんは良い子だから傷つくところは見たくない。」

「お前は誠実な男だよな~。」

日和ちゃんは本当にいい子だから出来ることなら

幸せになってくれればいいと思う。

「文化祭で連れてきたってことが外部に漏れれば

日和ちゃんが危険な目に遭うことだって想定しな

ければならなくなる。」

そうでなくても日和ちゃんのことが少しずつ

周りにバレていけば一番に危ない目に遭うのは

目に見えてる。

「アイツの兄貴にも親父にも釘さされた。」

「透真さんと朝陽さんに?」

俺は透真さんに会っただけで、朝陽さんに

会ったことはないけど、帰って来てた?

でも、日和ちゃんはそんなこと一言も

言ってない。

< 259 / 457 >

この作品をシェア

pagetop