Hurly-Burly3 【完】
***
said:誠
「おとといは悪かったな。」
日和ちゃんが帰って来ないなんてまた何かが
起こったらと思うと気が動転する。
「元気そうで何よりだな。」
慶詩が花壇に腰を降ろす。
「昨日の夜やっと熱下がったからまだ
本調子じゃないと思う。」
平気そうに見えて顔に出さないだけで、
日和ちゃんは結構溜めこむタイプだと思ってる。
「お前、保護者?」
「紗友梨の暴走は大抵日和ちゃんが発端で
巻き起こるからな。」
日和ちゃんのことになると周りが見えなく
なることもあるから紗友梨の暴走癖。
「そういや、あの日は凄かったな。」
「日和ちゃんのことどう思ってるか
分からないけど、もしも面白半分で
からかってる程度なら関わらないでやってくれ。
彼女の親友だから仲良くなったわけでもなくて
日和ちゃんは良い子だから傷つくところは見たくない。」
「お前は誠実な男だよな~。」
日和ちゃんは本当にいい子だから出来ることなら
幸せになってくれればいいと思う。
「文化祭で連れてきたってことが外部に漏れれば
日和ちゃんが危険な目に遭うことだって想定しな
ければならなくなる。」
そうでなくても日和ちゃんのことが少しずつ
周りにバレていけば一番に危ない目に遭うのは
目に見えてる。
「アイツの兄貴にも親父にも釘さされた。」
「透真さんと朝陽さんに?」
俺は透真さんに会っただけで、朝陽さんに
会ったことはないけど、帰って来てた?
でも、日和ちゃんはそんなこと一言も
言ってない。