Hurly-Burly3 【完】

「土まみれじゃない!!」

えっ、そっち!?

サユのカーディガンの袖で鼻の頭を擦られる。

「さ、さーちゃん、カーディガン汚れちゃう!!」

「洗濯に出すから平気よ。」

サユにグイグイ手を引っ張られる。

「サユ、まだ途中なんだけど?」

「一旦、休みなさい。」

さ、逆らえない。

逆らう理由がまず見つからない。

「ぐもももっ」

ベンチに引きずられるあたしはされるが

ままにサユと仲良く肉まんを半分子しながら

休憩に入った。マコ君とみんなが喋っている。

「マコ君はみんなのお仲間なのだろうか?」

「まぁ、敵ではないでしょう。」

ホットのジャスミンティーを買ってきてくれた

サユはやっぱりあたしの好みを分かってる。

普通ならオレンジジュースを買ってきてくれる

だろうけど、今は丁度温かいものを飲みたかった。

「サユちゃん、寂しくない?」

「日和が居るんだから寂しいわけないでしょ。」

アイラブサユちゃん。

「その顔やめなさい。」

「はーい。」

それにしても、マコ君は好青年に見える。

髪も黒で普通の男子高生だから不良のように

見えるわけがない。

中学の時から一緒だったとはいえ、知らないこと

の1つや2つはあるのかもしれない。

「日和、ピザまんも買ってあるんだけど食べる?」

「食べるっー!!」

サユがコンビニの袋の中からピザまんを取り出す。

「あんた、風邪ひいても食欲あるからすごいよね。」

「腹が減っては戦が出来ぬだからねっ。」

はいはいって言って半分子に分けてくれて、

トマトソースの匂いがする生地をパクリと

口に放り込むと口いっぱいにピザ味がやってきた。

肉まんもいいけど、ピザまんもこれは美味しい。

今時のコンビニはとっても商品が豊富なのね。

< 258 / 457 >

この作品をシェア

pagetop