Hurly-Burly3 【完】

「えっと、書斎に資料取りにきたみたいだよ。」

大和さん、すぐに帰ってしまったもの。

「そうか、そうか!!」

何か嬉しそうなのはどういうこと?

「何で兄ちゃん大和さんに敵意剥き出しなの!?」

「だって、俺のポジションを狙ってるよ!!

アイツはスナイパーだ!!」

どうしたらそんな被害妄想が出来るの?

※自分のことはどうなのかに気付いてないです。

「大和さんはスナイパーじゃないよ!!

パーフェクト常人のお兄さんだよ。」

「お兄さんじゃない!!」

言っとくけど、兄ちゃんより年上なんだけど?

年上にそんなこと言っちゃ駄目でしょ。

「兄ちゃん、そんなんでよくやって来れたな!!」

今までどうやって生きて来たんだ?

あ、そうか。

ジャングルは弱肉強食だっけ?

「ひーちゃんは大和にすごい懐いてない?

兄ちゃんの居ない寂しさを大和にぶつけて

いたんだね!!だけど、今ここに兄ちゃんが居る!!」

兄ちゃんに付き合ってると疲れる。

「みんな、夕飯にしようか。」

「ねぇ、ひーちゃんそれってスルー?」

兄ちゃんがぶつくさ言いながら拗ねる。

ジョセフィーヌが兄ちゃんの肩をポンと叩いて

慰めに入る。

「大和さんって?」

馨君はお茶碗を出すのを手伝ってくれた。

みんなもお手伝いをしてくれる。

「母さんの秘書やってる人であたしの

お助けマンってヤツですよ。

風邪とか引いたりすると飛んで帰って

きてくれるんだ。」

「へぇー」

「この前、大量に菓子作ってた時の想い人?」

馨君がふとそんなことを呟く。

「想い人とは違うかなー。

大和さんはあたしの絶対なる信頼を持つ

スーパーお助けマンのお兄さんだよね。」

あたしの心が揺れそうになってもきっと

支えてくれる人だ。

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