淫らな月
セイトside

~忘れられない一夜~


僕が13歳になる夏・・母は亡くなった・・
僕のこの外見のせいで彼女の寿命を縮めたんではと思いが
この外見を嫌う僕を作っていった・・
美しい・・綺麗だ・・よく言われる・・
でも両親が日本人の僕にはありえない外見・・普通の黒い眼が欲しい
沈んだ気持ちで帰ってきた・・
いい思い出がないこの街に・・
母の遺骨を丘の墓地に眠らすためだけに・・

どこからか見られている・・そんな気がした・・
墓地の近くにはかすかは花の香り・・何の花だろう?
柑橘系の・・いい香りだ・・

母の遺骨を納めて何日か滞在してまたアメリカに戻る
そんな短期間の帰省だった・・
あんなことが僕に起こるなんて思ってもいなかった・・

母の遺骨を納めたその夜・・
夏だったために部屋の窓を開けていた
ずっと視線を感じていた・・
ここは2階だし近くに人の気配もない・・
思いすごしか?帰ってからずっと注目を浴びてきたせいか・・
そう思い込もうとしていた・・
・・・・旅の疲れだろう・・・・
ミネラルウォーターのかすかな味の違いもそのせいにして
ベッドに体を沈めた・・
いつの間にか疲れが僕を深い眠りに誘った・・


真夜中寝入った僕のベッドに誰かが近づくのも気づかないほどに・・
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