淫らな月
振り向いた時に彼女から手を離した一人に回し蹴りをし、
もう一人が向かってきたところを投げ飛ばして
溝内に一発・・
最初の一人が起き上がってきたのでお腹を蹴ったら
後ろの木にぶつけてのびてしまった
いい気味・・見たところのびているだけだ・・
この隙に彼女を手を取って落とした荷物を拾って逃げた・・
彼女の家まで後ろを気にしながら走った・・
彼女はやっと止まった私に乱れる呼吸を整えながら
「ありがとうございます・・」
そしてネガネをした私の顔をじっと見る・・
「あっあなた・・前に駅で・・」
にこっとして・・
「やっぱり・・そうだ・・」
「同じ駅だったんだ・・あっ・・私の家ここなんだ・・お茶でも・・
良かったらだけど・・」
遠慮がちにそう言い私の反応を見る・・
「ありがとう・・少しお邪魔してもいい?」
「うん・・どうぞ・・散らかってるけど・・」
満面の笑で家に通された・・本当に綺麗な子・・
友達も多そうなのにどうして今日は一人なんだろう?
彼らとしか一緒にいるところを見たことがない・・
そんな事を考えてると・・
「えっと・・コーヒーと紅茶とオレンジとかあるけどどれがいい?」
「う~ん・・コーヒーがいいかな」
「砂糖とミルクはいる?」
「ううん・・いらない・・」
へ~大人だ・・ってつぶやいている・・
無邪気な子・・家の中も綺麗に整頓されている・・
台所も・・
家の人はいないんだろうか?
見たことないけど・・



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