淫らな月
それぞれの想い

~梅香side~

私はあの満月の夜・・兄の車に乗って家に帰った・・
せっかく作ったチョコだけど
満月の夜・・兄に抱かれる・・
汚れた私が彼にあげる資格ない気がして・・
家に帰ると夕食の用意がしてあった・・
いつもの小夜さんの料理・・
栄養のバランスも考えたおいしい料理・・
研究室にこもっている兄のための料理・・
満月の夜に彼女の愛する男に抱かれる私・・
それが愛ではなく憐れみであっても・・
申し訳なく後ろめたい・・
小夜さんは兄の幼馴染で兄より2歳下の25歳だ・・
綺麗でおとなしい人・・兄とはお似合いだと思う・・
兄の決まった相手だ・・
性欲の強い狼族の男にはパートナーがいる。特に満月の夜は・・
小夜さんがいるのに私はいらない・・
兄にとっては・・
満月の夜、私を抱くのはやはり私のため・・
小夜さんは美容師だったので私の髪を切ってくれたりする・・
普段、外ではかつらをかぶっているけど家ではかつらを取っている
私だって似合う髪型にしたい・・
小夜さんは綺麗な髪ねと言いながら
今はこういう色に染める人もいるのよと私を慰めてくれているのかそんなことをいいながら雑誌に載っているような素敵な髪型に切ってくれる
すごく嬉しい・・
小夜さんがくるまで美容院に行けない私は家のお手伝いさんに切ってもらっていた・・
おかっぱばかりだった・・しょうがないことだけど
満月の夜・・部屋に来た兄に抱かれた・・
多分・・帰ってこなかったことを怒っているんだろう・・
いつもより激しく突かれ・・胸を揉まれた・・いつもしないのに・・
何かつぶやいていた・・人の名前のような気がした・・
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