淫らな月
誠一side
俺は満月の夜・・梅香を抱き続けている・・
巧みに騙している・・純粋な梅香を・・
俺は夕食のとき、梅香に媚薬を飲ませている
男が欲しくなるように・・
梅香に男が出来ないように
人と深く付き合うことを禁じた・・
餌場に対する恐怖感も植え付け、
俺に抱かれるしかないことを分からせた
俺は汚い・・俺は嘘で固めている・・
俺は生まれも嘘だ・・
俺は狐族の族長の娘とその恋人の狐族の男との間に生まれた・・
母の家に満月の夜だけ子供を作るために訪れるあいつ・・
一か月に一日だけの関係・・
俺に狼族の血なんて一滴も入ってないんだ・・
次期族長になれる人間じゃないんだ・・
周りはみんな知っていた・・
あいつも知っているのか・・
愚かにも母は俺が7歳の時に死んだ・・
その時までその事実を隠そうとした・・
不思議だった・・
なぜ彼女は俺に夫であるあいつの脱いだ肌着を着せるのか・・
それは狼族である夫の匂いを俺に付けるため
俺が狼族でないのをごまかすため・・
その愚かな習慣は俺に引き継がれている・・
狼族であることが俺の全てになっている・・
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