淫らな月
規律の中に近親者とのセックスを禁止はしていない・・
狼族に兄妹間の交渉は昔からあった。
狭い集団の中・・性に関して肉食同士・・満月の夜もある・・
手近なところで求め合うのもしょうがないこと・・
しかし・・子供となると血が濃すぎる・・

だから私と兄の関係も禁止されない・・
規律に反してはいないから・・

お互いの同意・・
拒みたい気持ちはあっても満月の夜の疼きに逆らえる女は狼族でいるのだろうか?
意にそまぬ相手でも満月の夜は受け入れてしまう・・
私のように・・

兄は私を妹としても愛していないと思う・・
憎んでるとさえ思える・・

兄は初潮を迎えた私を餌場に連れて行き、見せられた・・
ケモノのように抱き合う男女を・・
お前もこんなことをするようになるんだ・・
満月の夜は男が欲しくてしょうがなくなる・・
こんなところで誰とも分からない男に抱かれたいのか?
俺がお前の相手になればお前に手を出すものはいなくなる
分かったな・・今度の満月から俺がお前を抱くから・・
そう言った・・兄の眼が冷たくて怖かった・・
うなづくことしか私にはできなかった・・

でも初めては好きな人としたい・・
儚い望みを持っていた。
そして私は彼に会った・・見たという方が正しいかもしれない・・

綺麗な男の子・・
私の特異な外見が余計に彼への思慕を募らせた・・
そして・・
私は規律を破る行為を決行する計画を立てた。
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