ある冬の日



「わっ!」



ラリー中、オレたちの左隣で練習してた女子ペアのうち1人がいきなりオレにぶつかってきた。



当然、オレたちのラリーはそこで終了。



うわまじ萎えるこういうの。



「す、すいません!あ、あの、怪我はないですか?」



いやいや別に怪我はしなかったけどさ、謝るならネットを挟んでオレの正面にいるあいつに謝れよ。



お前がぶつかってきたせいで今あいつの挑戦が無惨にも終わっちまったじゃねーか。



と、そのぶつかってきた女子にそう言ってやりたかったけど、やっぱ女子には言えねーよ。



やっぱり可哀想だからな、そんなこと言ったら。



クラス違うし、この子。



でもなんか後味悪いな、第三者に強制的に中断させられるって。



「いや、別にオレは大丈夫だけど。でも次からは気をつけて。オレらもオレらでけっこうマジでやってるから」



今の、言い過ぎか?



この子、半泣きなんだけど。



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