ある冬の日



結局オレは、入れるならどこでもよかったんだ高校なんて。



無理に高い設定を設けなくても、高校に入学さえしてしまえば少なくともあと3年は学生でいられるわけだし。



自分の将来について考える余裕も覚悟も今のオレにはないからさ……。



3分、『ウルトラマン』が活動できる時間だな。



別にこの約3分間のラリーですべてが決まるわけじゃないのに、なぜかオレたちはがむしゃらで全力だった。



ひょっとして、このラリーで区切りをつけたかったのかもしれない。



何かの、終止符。



それはこの学校を卒業したあとにやって来るいろんな壁に立ち向かうための決意のことなのかもしれないし、そうじゃないかもしれないけど、



そんなこと突き詰めたってなにも変わらないことくらいオレにもわかる。



世の中、知らない方がいい事もある。



オレはこの区切りの意味なんか知りたくない。



知らない方がいい事も、きっとあるんだ。



< 48 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop