ブルーブラック【番外編】

「····」

「あれぇ無視?悲しいー」
「あ、隣の君も可愛いね?」


怯むことなく睨み返してから目を逸らし、グラスに入ったお酒を一気に飲む朱美に対して百合香はどうなるんだとおろおろしていた。


「んね、一緒に飲も!」
「そうしよそうしよ!」


丁度両隣が空いているカウンターの席に2人の男が腰を掛けようとした時だった。


「やめ、」


「俺の連れに何か?」


椿が声を上げて席を立った時だった。
カウンターの4人の後ろに立っていた智を椿は驚いて見ていた。


「ちっ」
「な、なんだよ··」


男達は智の凄む表情と長身から見下ろされる鋭い視線に、その場を走り去ってしまった。

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