結婚白書Ⅰ 【違反切符】
家に着くと 親父が ”ヨッ” と手を上げて俺を迎えてくれた。
「父さん・・・母さんに仕組まれたよ」
「まぁ 気楽にいけばいいさ 扶美子おばさんによろしくな」
父さんの顔は 俺を哀れんでくれているようだった。
我が家の男は あのお袋にはかなわない。
ゲリラ見合い・・・そう名づけた。
そっちがその気なら こっちだって考えがある。
扶美子おばさんの顔を立てて 見合いはする。
だが ゲリラ的に仕組まれた事情を話して断る。
相手だって こっちの事情を知れば気の毒に思ってくれるだろう。
うん いいぞー
誰がこんな手にのるもんか