やわらかな夜
なのに、あかりはパーティーに行くことを選んだ。

彼女の根性を強いと言うべきなのか…。

それとも、俺が彼女に過保護なだけなのか…。

「じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

あかりは車を降りた。

俺は車の中からあかりを見送った。

「シュージくん、すっごいおセンチな顔してるー」

…何でこの人がここにいるのやら。

俺が後部座席に視線を向けると、
「いやん、もう♪」

何がだ。

俺は息を吐く。

誰だよ、連れてきたヤツは。

俺はこいつを連れてこいと頼んだ覚えなんてねーぞ。
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