やわらかな夜
「ねえ、何か食べるー?

お昼だし、お腹すいたー」

そう言った理人さんに、子供かよと俺は心の中で毒づいた。

「いいっすよ」

俺は言った。

「マックでいい?

チーズバーガー食べたい!」

「どうぞ」

もう好きにしてくれと言う話である。

「シュージくんは何か食べたいものある?」

「一緒でいいっすよ」

そう言った俺に、
「ん、じゃあ買ってくる♪」

理人さんも車を降りた。

誰もいなくなった車内で俺は息を吐いた。
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