Helloween Night【短】
「何で俺まで……」


「だって、ハロウィンパーティーなんだもん!ちゃんと仮装しなきゃ!」


真っ黒なマントとシルクハットを身に纏う嵐が、背中に黒い羽が付いた黒いドレスと小さな角のカチューシャを着けたあたしに眉を寄せる。


ドラキュラ伯爵と悪魔に扮したあたし達は、大学のハロウィンパーティーに参加中。


「仮装してない奴もいるじゃん」


「でも、仮装した方が雰囲気出るでしょ?」


「俺はコスプレの趣味はないから」


「コスプレじゃなくて仮装だよ!」


「どっちにしても、もう充分楽しんだよな?」


「え?」


「俺、今飢えてるんだよね」


「さっき、いっぱい食べ……」


「樹里の血に……」





この後、ドラキュラの嵐に強引に連れて帰られた悪魔の樹里は、血(体)をたくさん頂かれたのだった――。





             END.


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