結婚白書Ⅱ 【恋する理由】


「まどちゃん 私からのプレゼント」


玲子先生から手渡された 一枚の紙


”工藤家 産休育休計画書”


それは 出産予定日に合わせて 事細かく休暇について書かれたものだった

そこに 驚くべき内容が書かれていた



「私のはわかるけど 要の育児休暇まで予定に入ってるじゃない!」


「そうよ これからは男性にも育児休暇をとってもらいたいの

まずは女性の中でも先輩格のアナタが きっちり休暇をとって

手本を示してちょうだい

そして 彼にも育休をとって育児に参加してもらう 

どお? 素晴らしい計画でしょう?」




帰宅後 要に計画書を見せた

”そんなのできるわけないだろう” の答えを予測していたら・・・



「おぉっ これいいじゃない 玲子さんのお墨付きがあるんだ 

堂々と休めるよ」



こんな風に考えられるなんて 頭の中が柔軟だ

要ってやっぱり若いんだと 妙なところで感心した




先に 男の子を出産した和音ちゃんからは なにかとアドバイスをもらった



「円華さん 妊娠中は足がむくむから気をつけてくださいね

食事も 食べたいときに 食べたい物だけ食べていいんですよ 

そして 工藤さんに充分甘えてね」


「いろいろありがとう 特に食べられない物もないし 

彼も家事を手伝ってくれるのよ 和音ちゃんの方こそ 大変でしょう?」


「そうなの 夜泣きがひどくて 私も高志さんも付き合わされてフラフラなの

でも 母乳がでるから その点は助かるわ」



二人でこなす育児の様子が まめに知らされる





私は仕事を続けた 


幸いつわりもほとんどなく 年齢的に心配された症状がでることもなかった



「子どもは男の子がいい 女の子だといろいろ心配だし 

娘さんと結婚させてくださいなんて 絶対言われたくないよ!」




要は もうそんな心配をしている




そして




数ヶ月後 私は無事出産した


要の希望に反して 生まれたのは女の子だった






お腹の上に 最近コロコロと太りだした娘を乗せ

手を握りながら 何かを話しかけたり つぶやいたり

そんな 要の姿を見ているだけで 私の心は穏やかになる


凪の海を思い出した

朝の海は静かで 波立つ心を落ち着かせてくれた

  

「いつか 一緒に海に行こうね



そう言うと 


要が娘の手を持って ”おーっ!!”と応えてくれた


   Fin 


・・・・・・・・・・・・・・・・


結婚白書Ⅱ【恋する理由】 をお読みくださり、ありがとうございました。

円華と要の物語は 続・結婚白書Ⅱ【手のひらの幸せ】 へつづきます。

さらに、結婚白書は、Ⅲ、Ⅳと続きます。

4つの恋の物語、結婚白書シリーズにお付き合いください。

お読みくださいましたみなさま、

また、ファン登録、本棚inしてくださったみなさま、感謝です。

                 
                          K・撫子



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