本能で恋を
本能で恋を

何故…







「はあ…はあ…」





制服のスカートをなびかせ、
背中を流れる黒い髪を弾ませ、
息を切らせて走る。






そろそろ体力の限界を感じ、私は直ぐ近くに見える本屋へと入り込んだ。

割と大きい本屋なので、奥の方へ行けば、外から見つかる事はないし、わざわざ本屋に入って来てまで捜される事は無いだろう。




ここ最近、私…桜木 愛歌(さくらぎ あいか)は高校の校舎から出た瞬間から追いかけられるという日々を過ごしている。


毎日撒いて、通常よりも時間を掛けながら家に帰るのは面倒で大変で…


でも捕まったら最後。








だから私は、一生懸命逃げている。







 
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