本能で恋を
「私は無理だから。結婚なら他として。私を巻き込まないで」
ハッキリと葉月君に言えば、逆に「何で?」と問われてしまう。
何でって……………
そこでブチッと何かがキレた私。
もう親たちに円満に諦めてもらうとか、どうでもいい。
「好きでもない奴とその気が起きるわけないだろ!馬鹿か!!」
私はそう言い捨てて、父親の車に乗り込んだ。
言い捨てのような感じだが、ここまで言えば理解するか腹を立てるかして諦めるだろう。
親だって、ここまで否定すれば諦めてくれるはず。
現に、牧野家に挨拶して私の後から車に乗り込んで来た父親は、
「愛歌が嫌なら良いんだからな~」なんて少し嬉しそうに言うし、
暫くしてから来た母親は、その事には触れず別の話をしていた。
ああ……疲れた…………