恋物語
なにこの状況。
シュールすぎるわ。
「玲、やめなさいっ。退学にでもなったら大変ですよ!」
「亜紀>退学」
「なにそれ嬉しい、じゃなくて、私が嫌ですから、やめなさいっ」
「………亜紀が嫌なら、やめる」
渋々玲は椅子を下ろす。
本当にこの子は……。
私の事を大事に思ってくれるのは嬉しい。けど、時々行き過ぎている気がするのは、喜んでいいのだろうか。
「……玲が男の子なら、付き合っているのかも」
「ふぇ、あたしと亜紀が?」
無事に席につき、玲が椅子ごと私と向かい合う。
何事もなかったような平然とした表情の玲は、少し怖い。
「そだなぁ、家も近いし」
「理由がそこですか」
「想像できねぇし。男のあたしが亜紀と付き合うとか」
「……ふふ」
その時。
「「「きゃ――――!!」」」
黄色い悲鳴のような声が、教室内に響き渡った。