Love Rose.


『まぁ、参加は必須だということだけ、お伝えしたいと思いまして。…特に、高城専務には』


『は、はい…』


特にって、なんなのよ。


『もし、遅刻や欠席をするようなら…』


『は、はい!』


『……まぁ、水木さんがいらっしゃる以上は、心配ないでしょうから、言う必要はありませんね』


ガクゥ!


言わへんのかい!


『はぁ、…いえ、はい。必ずお連れします』


『はい、お願いします。では、お仕事中にすみません。失礼いたしました』


『いえ、わざわざこちらまで、ありがとうございました』


『…いえ、…今日はまだ、お顔を見ていなかったなと思ったものですから』


『…?はい、それは、ありがとう、ございます…』


『…はい。では、また後ほど』


『…はい。ありがとうございました』


そう頭を下げて、見送って。


デスクに戻ってもう一度、思い出してみる。


『今日はまだ、お顔を見ていなかったなと思ったものですから』


…今日はまだ、お顔を見ていなかったなと


…お顔を、見ていなかったなと


顔を、見て……


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