ビロードの口づけ 獣の森編


 このタイミングで、そんなのズルイ。
 胸の奥が甘く疼いてクルミはジンの首に腕を回した。


「私も、愛しています」


 ジンの面に満足そうな笑みが浮かぶ。
 最近はよく目にするようになった、この優しい笑顔が好き。

 クルミは自分からジンに唇を寄せた。
 ジンが応えて唇が重なる。

 遠くで獣の咆哮が聞こえた。
 これまでは身を震わせたその声が、恋の雄叫びだと知った今では、それほど怖くない。

 次第に熱を帯びていくキスに、身体も熱くなっていく。
 今宵も濃密な時が始まった。

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