ビロードの口づけ 獣の森編


 大きく息を吸い込みながら更に目を細めたライに、キョトンと首を傾げてミユが言う。


「そうですか? ここより寝室の方がはるかに濃厚ですよ」
「そりゃあ、そうだろうね」


 訳知り顔でライはジンに視線を送る。
 意味の分からないミユは相変わらずキョトンとしていた。

 獣の女でその理由を知っている者は少ないだろう。
 ライがミユに説明する。


「人の女はね、性的な感情が高まると香りが濃くなっていくんだよ。クルミ様がジンに愛されて幸せを感じている証拠だね」

「きゃーん。うらやましー」
「じゃあ、私が君に幸せを感じさせてあげるよ」
「だから、その話はまた後で」


 意外とクールなミユに苦笑しながら、ジンはライの肩を叩いた。

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