モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
《美登side》
僕が、かの子さんに杜の情報を流すには
訳があった
僕はずっと、ある疑問を抱いていた
その疑問を確かめたくて
かの子さんに近づいたってのも正直ある
だけど、
その事を杜に気づかれないよう
影でこそこそとするのは苦しかった
杜を裏切っている罪悪感は堪らなかった
けれども、日に日に増していく
僕の心の中に抱えていた疑問だけが
その役目を突き動かせていた
僕は知ってしまったんだ
かの子さんの事
きっかけは
全く思いもよらない事からだった
かの子さんと杜は
血が繋がっていない
彼女は何らかで
その事に気づいたんだ
恐らく、早い段階だと思う
かといって
自分が杜と結ばれるなんて事は
世間体を考えてもありえない
一ノ瀬の家の事を考えると
自分の気持ちをおさえ続けるしか
なかったんだろう
ただ、
時が経つにつれ
婚約者の自分に向けられる
偽善の愛に薄々気づくとともに
一度は絶とうとした
杜への思いが
ふつふつと沸き上がったのだと思う
ある時、かの子さんは
僕に接触してきた
頼み事があると
『弟の近況が知りたいの…』
そんなような事を言ったと思う
ちょうど僕も
疑問を抱えていたから
何も知らない顔をして
快く引き受けた
進んで
かの子さんの
犬になったんだ
犬になって
分かった事があった
美雨ちゃんに対しての
嫌がらせが
かの子さんによるものだってこと
僕は慎重に動いた
けれど、かの子さんは
もはや
冷静では無いように見えた
何とか
何とか
状況を変えたくて…
これ以上
かの子さんに罪を犯せさせたくなくて
それはーーーー
僕が、かの子さんに杜の情報を流すには
訳があった
僕はずっと、ある疑問を抱いていた
その疑問を確かめたくて
かの子さんに近づいたってのも正直ある
だけど、
その事を杜に気づかれないよう
影でこそこそとするのは苦しかった
杜を裏切っている罪悪感は堪らなかった
けれども、日に日に増していく
僕の心の中に抱えていた疑問だけが
その役目を突き動かせていた
僕は知ってしまったんだ
かの子さんの事
きっかけは
全く思いもよらない事からだった
かの子さんと杜は
血が繋がっていない
彼女は何らかで
その事に気づいたんだ
恐らく、早い段階だと思う
かといって
自分が杜と結ばれるなんて事は
世間体を考えてもありえない
一ノ瀬の家の事を考えると
自分の気持ちをおさえ続けるしか
なかったんだろう
ただ、
時が経つにつれ
婚約者の自分に向けられる
偽善の愛に薄々気づくとともに
一度は絶とうとした
杜への思いが
ふつふつと沸き上がったのだと思う
ある時、かの子さんは
僕に接触してきた
頼み事があると
『弟の近況が知りたいの…』
そんなような事を言ったと思う
ちょうど僕も
疑問を抱えていたから
何も知らない顔をして
快く引き受けた
進んで
かの子さんの
犬になったんだ
犬になって
分かった事があった
美雨ちゃんに対しての
嫌がらせが
かの子さんによるものだってこと
僕は慎重に動いた
けれど、かの子さんは
もはや
冷静では無いように見えた
何とか
何とか
状況を変えたくて…
これ以上
かの子さんに罪を犯せさせたくなくて
それはーーーー