モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
ある程度、予測をしていたとは言え
杜は改めて田澤 章郎の力の凄さを
目の当たりにした
杜が田澤の元を訪れ話を持ちかけて
僅か、一時間ほどで
杜の求める場所はいとも
簡単に用意された
と言っても、田澤自体は
秘書の湯川に電話一本
掛けただけだった
電話の向こうの
秘書に向けて
次から次へと指示を出す
田澤をみていると
まるで、それは
珈琲をいれてくれないか
と、頼むくらいの
言い方だった
杜はその様子を見ていて
田澤の秘書になるのだけは
嫌だなと心の中で思った
確か、二度ほどしか
会っていない秘書の湯川に
少し、同情する
その、湯川があっという間に
用意したその場所は
都内から少し離れた郊外にある
ゴルフ場で、そこはかつて
大手企業の所有物だった
近年の不況により
経営難から手放すことになり、
それを田澤が個人的に
買い取ったものだと言う
つまり、
破格の買い物を
田澤は自分のポケットマネーで
買い、そして
別荘として使えるよう
作り替えたのだ
「なに、私もね
たまには一人になりたくてね
ちょうど、隠れ家的な場所を
探していたんだよ
それに、下手の横好きで続けてる
ゴルフも家内に遠慮することなく
出来るからね」
あっけらかんとそう話す田澤に
杜は
「隠れ家ってもっと
こじんまりしてんじゃねぇのかよ」
と、呆れ口調で言う
「あっはっはっ
本当に君くらいなもんだ
この私に苦言をしてくれるのは
いや、もう一人いたな
家内を忘れていた」
満足げに笑いながら話す
田澤を見ていると
歳は取っているものの
そのエネルギッシュさには
つくづく、人を惹き付ける
魅力を感じた
その、おおらかさに
杜はしばし、
今、自分が置かれている状況から
解放される思いがした
「兎に角、
最低限の必要なものは
用意するように指示はしておいたが
他に何か希望はないかね?」
と、
別荘の一室を既にアトリエ用に
用意されているのを目の前にして
秘書の湯川の仕事の早さに
杜はただ、驚いていた
あれから、
早い方がいいだろうと
田澤と杜は昼食を済ませると
あっという間に、
田澤が所有する自家用ヘリで
ここまで、来ていたのだ
「いや、大丈夫だ」
杜はラフを描いたクロッキー帳と
使い込んだ道具だけは
家を出てくる際に
ちゃんと、持ってきていた
「生活に必要なものは
全て揃っているそうだ、
使用人も何人かつけてある
それ以外に必要なものが
あればこの湯川に言うといい
私はこれを孫が大好きだという
ネコ型のロボットより
よっぽど、有能だと信じておる」
と、同じヘリにてやって来た
有能な秘書、湯川に向かって
田澤が言った
「どうぞ、遠慮なく
何なりとおっしゃってください
何でも出てくるポケットは
持っておりませんけども……
出来る限りの事はさせて頂きます」
と、
有能な秘書、湯川は
そのサイボーグの様な
仕事ぶりとは違って
とても気さくな笑顔で言った
杜は改めて田澤 章郎の力の凄さを
目の当たりにした
杜が田澤の元を訪れ話を持ちかけて
僅か、一時間ほどで
杜の求める場所はいとも
簡単に用意された
と言っても、田澤自体は
秘書の湯川に電話一本
掛けただけだった
電話の向こうの
秘書に向けて
次から次へと指示を出す
田澤をみていると
まるで、それは
珈琲をいれてくれないか
と、頼むくらいの
言い方だった
杜はその様子を見ていて
田澤の秘書になるのだけは
嫌だなと心の中で思った
確か、二度ほどしか
会っていない秘書の湯川に
少し、同情する
その、湯川があっという間に
用意したその場所は
都内から少し離れた郊外にある
ゴルフ場で、そこはかつて
大手企業の所有物だった
近年の不況により
経営難から手放すことになり、
それを田澤が個人的に
買い取ったものだと言う
つまり、
破格の買い物を
田澤は自分のポケットマネーで
買い、そして
別荘として使えるよう
作り替えたのだ
「なに、私もね
たまには一人になりたくてね
ちょうど、隠れ家的な場所を
探していたんだよ
それに、下手の横好きで続けてる
ゴルフも家内に遠慮することなく
出来るからね」
あっけらかんとそう話す田澤に
杜は
「隠れ家ってもっと
こじんまりしてんじゃねぇのかよ」
と、呆れ口調で言う
「あっはっはっ
本当に君くらいなもんだ
この私に苦言をしてくれるのは
いや、もう一人いたな
家内を忘れていた」
満足げに笑いながら話す
田澤を見ていると
歳は取っているものの
そのエネルギッシュさには
つくづく、人を惹き付ける
魅力を感じた
その、おおらかさに
杜はしばし、
今、自分が置かれている状況から
解放される思いがした
「兎に角、
最低限の必要なものは
用意するように指示はしておいたが
他に何か希望はないかね?」
と、
別荘の一室を既にアトリエ用に
用意されているのを目の前にして
秘書の湯川の仕事の早さに
杜はただ、驚いていた
あれから、
早い方がいいだろうと
田澤と杜は昼食を済ませると
あっという間に、
田澤が所有する自家用ヘリで
ここまで、来ていたのだ
「いや、大丈夫だ」
杜はラフを描いたクロッキー帳と
使い込んだ道具だけは
家を出てくる際に
ちゃんと、持ってきていた
「生活に必要なものは
全て揃っているそうだ、
使用人も何人かつけてある
それ以外に必要なものが
あればこの湯川に言うといい
私はこれを孫が大好きだという
ネコ型のロボットより
よっぽど、有能だと信じておる」
と、同じヘリにてやって来た
有能な秘書、湯川に向かって
田澤が言った
「どうぞ、遠慮なく
何なりとおっしゃってください
何でも出てくるポケットは
持っておりませんけども……
出来る限りの事はさせて頂きます」
と、
有能な秘書、湯川は
そのサイボーグの様な
仕事ぶりとは違って
とても気さくな笑顔で言った