モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
杜は朝から機嫌が悪かった
杜は美雨の病院へと向かいたかった
けれど、美登がそうさせなかった
「今、美雨ちゃんからメール来たんだし、いいじゃないか?それにあの岡崎とか言う調子良さげな刑事が来たって言うんだからさ」
「尚更じゃねぇかよ。なんで、刑事がワザワザ行くんだよ。それに、俺は美雨をここへ連れて来ようと思ってた」
「はあ?なに言ってんの?お前さ、美雨ちゃんの何のつもりだよ?お前に取ってただのモデルだろ、あの子は。それをここへ連れて来るって何、考えてんだよ。それに、どこに住ませるんだよ?」
美登が一気に捲し立てるように言った
すると、杜はーーー
「俺の所に住ませる…」
静かに言った
「何、言ってんの?いい加減にしろよ。お前大体さ、かの子さんの事未だにー」
「やめろっ!」
杜にしては、大きな声が出た
「やめろって、それ以上言うな
でないとーーー殴る」
今度は静かに呟くように言った
「杜さ、僕はね、意地悪で言ってるんじゃない。たださ、お前の中途半端な態度で美雨ちゃんを惑わせないで欲しいんだ。あの子を前の恋みたいに苦しめるような目に合わせたくないんだよ。僕にだってそれくらい、言える権利はあるだろ?それすらも、僕はだめなのかい?なあ、杜?」
切実に訴える美登を見て、杜は下唇をくっと噛み締めた。そしてーーー
「美登はあいつの事、好きなのか?」
静かに聞いた
返ってきた答えはーーー
「わからない…だけど、その可能性は否定出来ない…」
美登のいつになく慎重な答えに
尚更、杜は戸惑った
いつだって、ハッキリと物を言う美登が
今回に限っては、言葉を曖昧にした
その事が尚更、重く杜にのし掛かった
杜が黙ったままでいると、
「どちらにしても、僕も美雨ちゃんをあのアパートに返すのは良くないと考えてる
だからと言ってお前の部屋には住ませたくない
それでなんだけど、提案があるんだ」
「提案?」
「ああ、このビルの空き部屋を彼女に使ってもらおうかと考えている」
「空き部屋って…」
「そう、お前の部屋と同じフロアにある、あの部屋だ。物置になっているけど、片付ければ今日からでも使える。僕の最大限、譲歩した提案だよ」
確かに、自分の部屋に連れてくると言っても
杜自身、迷いはあった
まだ、自分の気持ちが不安定な状態で
美雨を側におくことに…
「オッケイ、それでいい。とにかく、美雨をアパートに帰すのだけは避けたい」
それと…と、杜は続けると
「恐らく、俺は美雨を好きなんだと思う。好きになりかけている…だから…」
「杜、オッケイ。僕も少し、ムキになりすぎた。君が前向きな恋愛をすることを僕も願ってる。心からね…」
そういう美登の顔が少しも柔らかく無いことに
杜は珍しく胸騒ぎを覚えた
杜は美雨の病院へと向かいたかった
けれど、美登がそうさせなかった
「今、美雨ちゃんからメール来たんだし、いいじゃないか?それにあの岡崎とか言う調子良さげな刑事が来たって言うんだからさ」
「尚更じゃねぇかよ。なんで、刑事がワザワザ行くんだよ。それに、俺は美雨をここへ連れて来ようと思ってた」
「はあ?なに言ってんの?お前さ、美雨ちゃんの何のつもりだよ?お前に取ってただのモデルだろ、あの子は。それをここへ連れて来るって何、考えてんだよ。それに、どこに住ませるんだよ?」
美登が一気に捲し立てるように言った
すると、杜はーーー
「俺の所に住ませる…」
静かに言った
「何、言ってんの?いい加減にしろよ。お前大体さ、かの子さんの事未だにー」
「やめろっ!」
杜にしては、大きな声が出た
「やめろって、それ以上言うな
でないとーーー殴る」
今度は静かに呟くように言った
「杜さ、僕はね、意地悪で言ってるんじゃない。たださ、お前の中途半端な態度で美雨ちゃんを惑わせないで欲しいんだ。あの子を前の恋みたいに苦しめるような目に合わせたくないんだよ。僕にだってそれくらい、言える権利はあるだろ?それすらも、僕はだめなのかい?なあ、杜?」
切実に訴える美登を見て、杜は下唇をくっと噛み締めた。そしてーーー
「美登はあいつの事、好きなのか?」
静かに聞いた
返ってきた答えはーーー
「わからない…だけど、その可能性は否定出来ない…」
美登のいつになく慎重な答えに
尚更、杜は戸惑った
いつだって、ハッキリと物を言う美登が
今回に限っては、言葉を曖昧にした
その事が尚更、重く杜にのし掛かった
杜が黙ったままでいると、
「どちらにしても、僕も美雨ちゃんをあのアパートに返すのは良くないと考えてる
だからと言ってお前の部屋には住ませたくない
それでなんだけど、提案があるんだ」
「提案?」
「ああ、このビルの空き部屋を彼女に使ってもらおうかと考えている」
「空き部屋って…」
「そう、お前の部屋と同じフロアにある、あの部屋だ。物置になっているけど、片付ければ今日からでも使える。僕の最大限、譲歩した提案だよ」
確かに、自分の部屋に連れてくると言っても
杜自身、迷いはあった
まだ、自分の気持ちが不安定な状態で
美雨を側におくことに…
「オッケイ、それでいい。とにかく、美雨をアパートに帰すのだけは避けたい」
それと…と、杜は続けると
「恐らく、俺は美雨を好きなんだと思う。好きになりかけている…だから…」
「杜、オッケイ。僕も少し、ムキになりすぎた。君が前向きな恋愛をすることを僕も願ってる。心からね…」
そういう美登の顔が少しも柔らかく無いことに
杜は珍しく胸騒ぎを覚えた