モルフェウスの誘惑 ※SS追加しました。
《美登side》
僕は久しぶりに見る杜に驚いた
何も告げず、この街を去っていった杜
僕にも告げることなく
一ノ瀬の家から連絡を受けて
初めて杜が姿を消したことを知ったんだ
久しぶりに見る杜は相変わらず痩せていた
けれど
不思議と逞しく見えた
僕は中途半端な反抗を親父に繰り返している
自分が滑稽に思えた
杜はこの数年間、確実に自分の足で
生きてきたのだなと
少し、恨めしく思えた
けれど、
今、目の前で
杜が僕に頭を下げている
その事で僕は自分を保てた
僕を必要としている
僕がいなきゃ、杜は結局ダメなんだと
思えた
杜を招き入れ
ざっと話を聞く
杜は僕にアトリエとして使える場所を
貸して欲しいといった
僕は長年ほっとかれた
妙な疎外感から
金はどうする気だ?
と、言ってやった
ささやかな仕返しのつもりだ
僕はどうも杜の事になると
昔からムキになるらしい
けれど、杜の答えはこうだった
『スポンサーならいる』
僕はやはり
杜に嫉妬心を抱いた
親友とも呼べる杜のビッグチャンスを
素直に喜べなかった
僕は言った
『杜、冗談だよ。何も心配するな。
僕だって全面的に強力するよ
僕たちは古くからの友じゃないか』
僕は今、上手く笑えているだろうかと
その事ばかりが気になっていた
僕は久しぶりに見る杜に驚いた
何も告げず、この街を去っていった杜
僕にも告げることなく
一ノ瀬の家から連絡を受けて
初めて杜が姿を消したことを知ったんだ
久しぶりに見る杜は相変わらず痩せていた
けれど
不思議と逞しく見えた
僕は中途半端な反抗を親父に繰り返している
自分が滑稽に思えた
杜はこの数年間、確実に自分の足で
生きてきたのだなと
少し、恨めしく思えた
けれど、
今、目の前で
杜が僕に頭を下げている
その事で僕は自分を保てた
僕を必要としている
僕がいなきゃ、杜は結局ダメなんだと
思えた
杜を招き入れ
ざっと話を聞く
杜は僕にアトリエとして使える場所を
貸して欲しいといった
僕は長年ほっとかれた
妙な疎外感から
金はどうする気だ?
と、言ってやった
ささやかな仕返しのつもりだ
僕はどうも杜の事になると
昔からムキになるらしい
けれど、杜の答えはこうだった
『スポンサーならいる』
僕はやはり
杜に嫉妬心を抱いた
親友とも呼べる杜のビッグチャンスを
素直に喜べなかった
僕は言った
『杜、冗談だよ。何も心配するな。
僕だって全面的に強力するよ
僕たちは古くからの友じゃないか』
僕は今、上手く笑えているだろうかと
その事ばかりが気になっていた