思春期の恋
ベッドに腰掛けた私の前に、突っ立っている柊司。
何この、重たい空気。。。
昔はこの部屋に柊司がいることなんて全然普通で、
違和感なんて感じたことなんかなかったのに。
ベッドの上に寝転がって、DSとかやってたのに。
なんでこんなに変な感じになっちゃったんだろう。
超、違和感。
「足、大丈夫か?」
沈黙の中、柊司がポツリとつぶやいた。
足?
あ・・・心配して来てくれたのか。
「お袈裟に固定されているけど、ただの捻挫。固定すると早く治るんだって」
私は、ベッドから足を伸ばして見せた。
「そっか」
両手を制服のズボンのポケットに入れて、バッグを斜め掛けしたまま不機嫌そうに立っている柊司。
・・・そんなに不機嫌なら来なけりゃよかったじゃん。
そう思いながら柊司の顔を下から覗き込むと、
柊司は反対側に顔を背けた。
「なんか、怒ってんの?
あ・・・もしかしておんぶさせたこと?
それともワイシャツ血まみれにしたこと?
ごめん。悪かったと思って・・・」
「そんなんじゃないって」
柊司は目を合わさないまま、そう言って私の言葉を遮った。
「そんなんじゃないって・・
じゃあ、なんでイラついてんの?」
「イラついてんじゃない。
ただ・・・
困ってんだよ」