思春期の恋
「避けていたんじゃないよ。
ごめん。
そんな風に思わせているなんて、
思ってもみなかった」
避けてない・・・
私は柊司の背中に手を回してぎゅっとした。
「恥ずかしかったんだ。
颯子のことを、意識し過ぎて・・・
颯子に名前を呼ばれるだけで、俺・・・
恥ずかしかったんだ。
名前を呼ばれるのが嫌だったんじゃない。
嫌いになったことなんて一度もない。
俺、颯子が好きだよ。
でも、颯子はいつも平然としていて、
普通で。
昨日も、
やっぱ意識してんのは俺だけなのかって、
ちょっとへこんだ」