◇◆近未来科学商品◆◇【CANDY】


あたしは、自分のダメップリと先生の温かさで、本当に泣いてしまいそうになったんだ。


先生の胸を借りて泣いてしまいたかった。



でも、先生は先生だから。


そんなことできない……。





保健室へと行こうと立ち上がった時、全身を電気が駆け抜けた。


バチッと静電気が全身を駆け巡るような……。




それは一瞬のことだった。


一瞬なのに、脳天を突き抜けるような電気にあたしは意識を失い、その場に倒れこんだ。




「後藤?後藤?」


先生の声さえも、少し遠くに聞こえる……。


そして、先生に包み込まれている温もりさえも……遠くに感じた。







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