日々

初詣の帰り道。
家族で初詣に言った雅紀は、
ただいま車の中である。


「みんなちゃんといるか?」



父さんの言葉に睦月が返事の代わりに
助手席から振り返った。



睦月
「はーい、いない人手をあげてー」



「はーい」



律儀に手をあげる燐。
一瞬静まり返った車内に慶兎が口を開いた。



慶兎
「一人いないみたいだけどどうする?」



慶兎の目線は雅紀に向かう。



雅紀
「燐がいないんだよな?」


慶兎
「うん、そう」


雅紀
「じゃあ別にいいんじゃね、置いてって」



しれっと言った雅紀に、
慶兎がふわりと笑った。



慶兎
「燐だしね」


雅紀
「燐だからね」



「うわーひでぇー泣くわー」






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