ガラスダマ


珠が本当に会いたいと願うなら、あたしも何も言わないでおいた方がいいのかな。


「じゃあ、今から行こうよ!」


今から?

ポカンとするおばさんを残し、珠に腕を引っ張られて外に出た。

もう夕方。


もう少ししたら仕事も終わるだろう。

最近はお父さんと口を利くときはケンカばかり。


でもいくらあたしがひどい事を言ったって、お父さんは今まで一度だってあたしに手を出したことはない。

最後には黙って逃げる。

言いたいことを最後まで言わない。


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