ガラスダマ
誰も周りにいない。
ずっと机だけを見てる。
まぁ、こんなんじゃ誰も寄らないっか。
高橋の前の席に座り、無言であたしに向けるつむじを眺めた。
視線を感じたのか、ゆっくり頭が上がる。
目が合うと、すぐに顔をしかめた。
「……何でいるの」
「見て分からない?」
制服をヒラヒラ揺らし笑って見せる。
「………それやめた方がいいよ」
あたしの足をマジマジ見る男子生徒。
高橋はそいつを軽く睨みつけた。