ガラスダマ


俯いてしまった珠に一言謝り、頭を抱えた。

今までこんな風に無理に近づこうとしてくる人はいなかったから、どうしたらいいのか分からないんだ。




友達だよって上辺だけでも言っておくべきだった?

そんな言葉で珠は喜んだだろうか。


ふとたくさんの視線の中、あいつと目があった。


高橋だ。

取り乱している私を見て微かに笑っている。


鏡を見ているよう。



このクラスであたしは一年も耐えられるだろうか。

先を考えると頭が痛くなった。


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