ガラスダマ


怒っているんだろうけど、そんな風に見えない。

多分そういう感情に慣れていないんだろう。

顔を真っ赤にして、男のくせに瞳を潤ませながらあたしを見つめる。



ほんとに何なの。

あたしなんか放っておけばいいじゃない。

今日出会ったばかりで何にも知らないくせに。


だんだんあたしも頭にきて、その怒りを珠の机をグーで思い切りぶつけた。


シンとする教室。


ハッとして拳を緩めたが、もう遅い。


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