ガラスダマ


こんなに美味しかったっけって思うくらい美味しい。


珠はいつもこんなおいしいご飯を食べてるんだ。

パクパク口に運ぶ姿をおばさんはずっと微笑みながら見つめ続けた。


「名前は何て言うのかしら?」


「……南瑠衣です」


「南…?」


「はい…」


南という苗字に妙に反応する。

にこやかな顔が一瞬で曇ったところを見ると、南に何か嫌な思い出でもあるのだろう。


< 74 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop