ガラスダマ


「瑠衣ちゃんはお母さんは?」


「…いないです。そんな人」


「そう…。お父さんの名前、聞いてもいい?」


………?


お父さんの名前なんか聞いてどうするんだろう。

もちろんお父さんも南…まさかね、何て思いながら口を開いた。




「拓生…」


言ったとたん、おばさんは口を塞いだ。

目も潤ませてあたしも困惑する。


きっと間違いない。




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