ガラスダマ


窓から明かりが漏れていて、お父さんがいるのが分かる。


「もういいよ。………ありがとう」


家までずっと後ろをついてきた高橋。

夜だったから送ってくれたんだろう。


「…ほどほどにしろよ」


まるであたしが今からお父さんともめるみたいな言い方。

喋りたくはないけれど、顔を見たら確かに何を言ってしまうか分からない。


返事はせずにさよならした。



玄関を開けると女の靴はなかった。



< 89 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop