ガラスダマ


ずっと心では思っていたけど、実際に言葉にして嫌いなんて言ったのは初めてだった。

自分で言っておきながら涙が出てくる。


またひどい頭痛に襲われて壁にもたれると、迷いながらもお父さんの手が伸びてくる。


「触らないで!」


もう、自分が嫌。

あたしは本当に愛し合った二人から生まれた人間なのだろうか。


間違って生まれてしまい、本当はいなくても全然良かった人間なんじゃないかな。

どうしてあたしはこの人の子供なの。


< 91 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop