† of Human~人の怪異
てらてらと鱗の艶やかな獣面、根拠のないだろう狂喜を見せる桜庭を、

「そうですか。ではアナタを、教会の粛正対象として認知します」

上野が、スイとメガネを外しながら、睨んだ。

途端、まるではじめからそこで待機していたように空中、彼女の手にするものと同じ剣が浮かぶ。

数えれば、少女の持つ剣と合わせて、それは十本。

蛇を生やした者、剣を持つ者がそれぞれ、

「粛正のもと、己の罪を悔い改めてください」

「はっは、それは僕に言ってるの、上野さん」

たった一言ずつを、開戦の合図とする。

それからの出来事を、床に這いつくばっていた和幸は、断片的にしか見ることができなかった。

襲いかかってきた蛇の頭を、少女は手にしている一本、宙に浮かんでいる九本で、切り伏せた。

かと思えば、瞬時に再生した右の蛇が、体をのたうたせる。
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