オリゾン・グリーズ



「『この本を見つけられるのはクリストハルト・エミーリアという人物しかいない』って決まっているからだよ」



「わけがわからん!
どう思考を展開すればそうなるんだ」



「決まっているものは決まっているもので説明しうようがないじゃないか。
君は『なぜ人を殺すことは犯罪なのか』、もしくは『なぜ罪は償わなければならないのか』について明確な答えを提示することはできるかい、できないだろう?

ルールに説明を求める方が間違っているんだ」



「『俺がその本を見つける』っていう事項は明らかにルールの類ではないと思うぞ」



「それがルールなんだなあ、残念なことに」




青年は苦笑を浮かべてその蒼髪に手を置いた。



「まあそんなことはこの際どうでもいいんだけどね」



「よくない!」



「まあまあ、置いといて。
唐突で本当に申し訳ないけれど君戦争には行かないほうがいいよ」



「はあ!?」



「というか行くな」



「なんで」



「しぬから」



「おい!!」




さも当然といった風に言い張る彼の態度が至極腹立たしい。



こっちは国の運命のために決意を固めて死ぬ覚悟で戦争に参加してやろうというのに、そんなにあっさり言い退けられて平静でいられるほうがおかしい。




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