オリゾン・グリーズ
「お、お前誰だ、なんでここに」
「初対面の人に向かって『お前』はないんじゃないのかな」
蒼髪の青年は残念そうにその目をクリストハルトに向け、ため息をついた。
「クリストハルト・エミーリアさんですね」
誠意のこもった声色でそう言ってにこりとほほ笑む。
クリストハルトは唐突な質問に目を剥いて、再度青年の格好と顔をよくよく見まわした。
「初対面…だよな?」
「そうだね」
「なんで俺の名前を…」
「そりゃ、この本を見つけてくれた人だからね」
「は?
わけのわかるように説明してくれないか」
とりあえず人であるならば安心できる。
身と鼻の先にいる物が何か解れば、クリストハルトは不思議なほど冷静でいられた。