恋愛初心者
「きゃぁ、何あのイケてる☆メンズは!?」
急に沙夜が小さく叫ぶ。
イケメンだ?
どこが?
メガネじゃねーか。
そのメガネ(先輩)に、二人の女の子が声をかけた。
「会長!急いだ方が」
「そうですね。私が入場準備をします。君たちは先に体育館に行ってください」
え。
せ、生徒会長!?
生徒の中で一番高い身分のヤツか。
ふ〜〜〜〜ん。
あたしはまじまじとその生徒会長やらを見つめた。
そして女の子たちと別れると、こちらに近づいてきた。
「クラス別に並んでください。・・・なんですか」
僕に文句でもあるんですかと、そんな顔をした。
「べっつにー」
「トウジョウ……?」
友歌が口を開いたと思ったら、会長の名札を見ていた。
「そ。」
会長はうなずくと、そっと自分の名札を抑えた。
「僕は東條剣(トウジョウツルギ)。珍しいでしょう?」
す、………すっげぇ!!
「剣って言うのかあんた?!かっけぇー!!」
あたしは目いっぱい目を輝かせた。
「っと、そんな僕の話に食いつかないで。早く並んでくださいね」
と言い残し、まだ像の前にいる人たちの方へ走っていった。
「じゃあ、行こっか!!」
友歌が明るく行ったけど………。
「友歌……、一人になっちゃうな?」
大問題はそこなのだ。
三人でいることも出来るけど、それじゃあ友歌がいつまでもクラスにとけ込めないことになる。