Who am l?
階段下、誰も居ない空間の壁に、私を押し付ける男。
「覚えてる?」
私は震える唇を動かせるだけ動かす。
「…玲……なんで、アンタが……」
玲は顔をほころばせる。
「あ、覚えてた。良かった良かった。雨海は元気してるー?」
………コイツ。
「なんでアンタがここに居んだよ…!」
私は必死に涙をこらえ、頭1個分は高いだろう彼の顔を見た。
無論、コイツだってお姉ちゃん――雨海の死は知っている。
「変わってないなぁ。そーやって言われると、犯したくなっちゃうんだけど?」
玲は私の太ももに、自分の手を忍ばせた。
「……ッ。やめっ……」
手のひらは徐々に上がってきて……
「嫌っ!!」
私はその手を叩いた。